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2021/01/18(月)

介護施設で本当にあった怖い話…

カテゴリー:リハビリ

 

From:守 加奈江

 

ああ、寒い。今何時かな…

 

職員さんの「起きますよ」と呼びかける声が聞こえる。

 

はあ、もうそんな時間か。

布団から出たくない。このままもうしばらく、こうしていたい。

 

トントンー

 

耳障りな音だな。

 

ガラーッ

 

「朝ですよ!起きますよ!」

 

はあ、聞きたくない。聞こえない。

 

ほら、さっさと着替えて!

無理やり体を起こされ、テキトーな服を乱暴に着せられる。これでは寒い。

 

両脇を抱えられ、車椅子に移される。

朝からこんなに無理に動かされたら、体を痛めてしまうじゃないか。

 

トイレに行きたいと言ったら、「もう!忙しいのに!」と苛立った職員さんが、

「急いで!」と言って、わたしが用を足すのをすぐそばで待っている。

 

プライバシーも何もないな、ここは。ーー

 

トイレットペーパーで拭く間も無く、さっさと立たされ、ズボンを上げられる。

 

 

さあ、大広間へ移動して、朝ごはんの時間だ。

1階の大広間へはエレベーターで降りる。車椅子は4台までしか入らない。

 

車椅子で並んで、自分がエレベーターに乗る順番を待つ。

しかしこの格好ではやはり寒い。部屋にカーディガンがあったはずだ。

職員さんに取りに行ってもらおう。勝手に動くと怒られる。

 

声をかけても、職員さんは気づかない。ドタバタと騒がしく音を立て、

利用者の部屋から部屋を、慌ただしく駆け回る。

 

仕方ない。諦めるか。ーー

 

 

今日の朝ごはんは、ご飯と味噌汁、焼き魚と酢の物、そして白和え。

三度の食事が、ここでの唯一の楽しみだ。

 

「ここはまるで牢獄。だが、飯だけはうまいからな。」

 

斜め前に座る爺さんがガハハと笑って、白いご飯を口に運ぶ。

つられて笑う。

 

すると横からにょいと白い手が伸びてきた。

目の前から、楽しみにしていた焼き魚が消え、

それは隣に座るだいぶ認知が進んだ婆さんの口の中に、

もう半分は入ってしまっている。

 

大音量でテレビから流れる、ワイドショーの司会の声。大嫌いな声だ。

 

“寝て起きて食べるだけ”、そんな毎日を、ここで過ごす。

 

わたしは生きてるのか、死んでるのか、、。

 

終わりの終わりまで、この牢獄からは出られない。

 

 

 

 

さあ、これを読んで、あなたはどんな気持ちになりましたでしょうか。

 

わたしはLAPREに入社する前、介護の仕事をしていました。

これは、わたしが働いていた老人ホームの日常を、利用者さんの視点で書いたものです。

 

ここまで酷いところは、なかなか無いとは思うのですが、(そう思いたい)

これが老人ホームの現実でした。

 

一日中、じいちゃんばあちゃんとワイワイ楽しく過ごすことを楽しみに

介護の現場で働き始めたのですが、そんな幻想はすぐに消え去りました。(笑)

 

ただでさえ人手が足りないのに、認知症患者が暴れ回り、常に職員はその対応に駆け回り、

まさに戦場のような現場。

 

そして、“牢獄”とも言える環境で過ごす利用者。

 

そんな環境で、当然どんどん認知機能が低下し、おかしくなっていく利用者。

 

この現実を目の当たりにして、“すべては認知症が原因だ”と、

現状をとにかくなんとかしたい一心で、

行き着いたのが「日本認知症リハビリテーション協会」です。

 

結局、ドタバタと忙しく1年弱がすぎ、

その介護施設の現場、認知症患者をなんとかすることはできなかったのですが、

いつもわたしの頭の中には、そこで生きていた利用者さんがいます。

 

「あの人たちをなんとかしたい」

 

その思いが今でも原動力です。

 

今は、オンラインも治療院も合わせて、50人弱いるわたしの患者さんを

とにかくもっともっと改善させる。そのために試行錯誤の日々です。

 

患者さんが、少しずつ改善していく姿を見て、

患者さんとご家族さんと一緒に喜ぶこと、

これが何よりわたしの心を躍らせます(笑)

 

そして、かなり認知症が進んだ人も、

ご家族さんが諦めずに治療に取り組む姿を見て、

恥ずかしながら、わたしの方が勇気をもらったりしています。

 

“認知症は改善する”ということが周知の事実となり、

日本で常識となれば、こういった介護の現場もガラリと変わるはずです。

 

老人ホームでは、認知症の改善プログラムの実施が基本となり、

こういった施設は“入居したら元気になる場所”に変わる。

 

そして、元気になった利用者さんは、

凛とした姿で家族のもとへ帰っていく。

 

そんな未来、ワクワクしますね。

こんな未来を、創りたいです。

 

勝手な思いですが、これを読んでくれているあなたと一緒に創っていきたいです。

 

きっとこれを読んで共感してくれている人は、たくさんいるのではないでしょうか。

 

わたしも今以上に、頑張っていきます。

まだまだこの仕事で経験年数の少ないわたしは、

先輩の誰よりも頑張らなくては!!

 

 

先週のメルマガ配信をすっかり忘れて認知症気味の守でした。

それでは<(_ _)>

 

 

 

 

 

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