2021/04/12(月)
頑固なお父さんの面白いクセが脳を活性化!
カテゴリー:リハビリ
こんにちは!LAPREの守です。
私の患者さんの中に、
めちゃめちゃ頑固なお父さんがいまして、
なかなか自分の認知症を認めないんです。「病気になり切れていない」んですね。
ご家族さんもかなり手こずってます。
当然、毎日の計算問題、体操をやりたがらず、
自己流の体操とウォーキングで満足しています。
この方、元社長さんで、確か市議会議員もやっていたこともあって、ど偉いさんなんですね。
人の話を聞かない、プライドが高い、協調性ゼロ!
見事に三拍子揃ってます。これを読んでる娘さん、ごめんなさい(^^;)
でも、こういう人こそ一度心を許した相手にはとても親身になって、話を聞いてくれたりするんです。
しかしながらはっきり言って、私はそういう対象には入っていないのが現状です。
私の力量が足りないのと、この未成年なのか成人してるのか中年なのか、男なのか女なのか分からない見た目のせいでもあるかなとは思うのですが…。笑
そういえば、見た目でインパクトを与えようと思って、この患者さんの3回目か4回目くらいのオンライン診療の時に、ちょっと白衣を着てみたんですが、全くもって意味なかったですね。
まあ自分の姿を鏡に写したら、まるで小学生の学芸会の衣装みたいな感じでした。
社長に相談したら、あの穏やかな笑顔で「最初から着ないと意味ないよ」と言われました。
ところでこの患者さん、数を数えるのがクセというか、
家の向いの学校の渡り廊下を歩く生徒の数を数える、信号待ちの車を数える、などということを習慣的にやっているんですって。
ものすごく変わってますね!(^▽^)(←お前が言うな)
この「数を数える」ということ、実は脳の活性化に繋がるんです。
単純に、1から10の数字を頭の中で数えるだけで、
前頭前野、運動野、ウェルニッケ野、ブローカ野、後頭葉と様々な場所が一斉に活性化することがわかっています。(東北大学川島隆太教授の記事を参考)
数を数えるだけで脳が活性化するというのは、嬉しい研究結果ですね。
毎日の運動プランを行う際に、より負荷をかけるために自身で数を数えることを必ずやってもらっていますが、
筋肉や関節へのアプローチだけでなく、脳もより活性化していたんですね。
そうは言ってもやっぱり、
単純に数を数えるよりも、簡単な掛け算、足し算、引き算の計算問題をした方が、同じ脳部位はより活性化します。
ではでは、もっと複雑な計算問題はどうでしょう?
例えば、54÷(0.51-0.19)といったより複雑な計算。
こういった計算問題を解いているときの脳の状態を調べると、
活性化したのは左の前頭前野と側頭葉の一部、この2カ所だけだったようです。
理由としては、単純な計算よりもこうした複雑な計算は、より言語機能に比重がかかっているからではないかと川島教授は推測していました。
というわけで、一部の前頭前野ではなく全体的に前頭前野を活性化させ、その上、運動野、言語野、後頭葉なども活性化させちゃう単純な計算問題は、効率よく脳へアプローチできる認知症改善のための基本的な治療ということです。
馬鹿にせず、計算問題をコツコツやっていきましょう。
それではまた!
P.S.
本日の計算問題の話はいかがでしたでしょうか?
継続して行うことでしか効果がありませんので、
できるだけ毎日、1ヶ月以上は最低でも続けてください。